今日もD blogの記事を読むつもりだったのだが、起立性調節障害の検査で気絶したのでこの機会に自分の体位性頻脈について書きたい。 前回の検査のことをよく覚えていないので比較ができないことを残念に思ったのだ。
体位性頻脈
体位性頻脈症候群(Postural Tachycardia Syndrome; PoTS)は起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation; OD)のサブクラスである。
そもそも起立性調節障害とは何か。 まあリンク先のWikipediaに全部書いてあるんだけど、自律神経とかがおかしくて立ちくらみなどの症状が出るやつである。 そして体位性頻脈は、そのうち立った時に血圧が変化せず心拍数がすごく上がるものである。
注意すべき点として、あくまで姿勢を変えた時に具合が悪くなるだけで体力がないわけではない、ということもある。 実際自分は1時間程度だらだら歩き続けたり、十数キロ自転車をこぎ続けたりには何の問題もない。 ただし動き出しをミスるとちょっとした動作でもめまいがして座り込むことになるし、食習慣や睡眠時間で無理をすると丸一日動けなくなる。
精神的なものだと勘違いされたり、怠けているだけだと思われたりするらしい。 実を言うと受験が終わってからかなり調子が良かったので、自分自身でもあれは精神的な問題だったのだと思い始めていたところが少しあった。 しかしそれは誤解であると思い知ることになる。
今日あったこと
そんなPoTSだと診断された自分はこの1年療養していた。 そのおかげか立ちくらみも減ってきており、治ったと医者に認めてもらえると入れる保険も増えるとのことなので再びヘッドアップティルト試験を受けることにした。 ヘッドアップティルト試験は簡単に言うと以下のようなものである。
- 自動で起き上がらせることができる特殊なベッドにしばらく寝る
- 横になっている間の血圧と心拍数を測る
- ベッドが傾き、自動的に立った姿勢になる
- しばらく血圧と心拍数を計測し続ける
まずはベッドに横になり、心拍数を測る胸に貼るアレ(筋電計と言うのか?)と血圧計をつける。 この血圧計は計測が終わるとまたすぐに次の計測を始めるようになっていて、血圧の時間変化を見ることができる。 自分の今回行ったところのものはそれ以外は一般的な血圧計で1回の計測に十数秒かかるが、病院によってはもっと時間分解能の高い血圧計を使ったりもする。
そして起き上がった時にズレないよう軽く固定し、しばらく寝たままでいる。 認知症かなにかの検査をしているらしい会話が隣から漏れ聞こえてきたので退屈はしなかった。
そして自動的に起き上がり、立った状態になる。 若干の立ちくらみはあるが特に問題はない(と思っていた。慣れって恐ろしい)。
じわじわと立ちくらみがひどくなってくるし、看護師さんも辛くなったらすぐに中断するからね、とは言っていたが、このままの調子なら耐えられないレベルには到底届かないだろうと思えた。
しばらく経過して、もうデータは十分とれてるから次の血圧測定で終わるね、と言われた。 次の血圧測定はもう始まったころなので余裕だろうと思っていた。 しかし突然状態の悪化が加速して、目の前が暗くなってきた。
次の瞬間には大丈夫ですか、というようなことを看護師さんが言っているのが聞こえた。 ベッドは倒され始めており、自分の脚はずり落ちたように曲がっている。 どうやら自分は気絶したらしい。
記録では起き上がった時点から脈拍が増加し、およそ5分後、気絶したタイミングで血圧だけがストンと落ちている。 心拍数が上がりすぎて心臓が「空回り」した状態らしい。
追記: 詳しい結果をもらった。 上はそのグラフである。 心拍数の赤い矢印は、去年より平常時の心拍数が下がっているので結果的に起き上がったときの心拍数も少し低くなっている、ということを表している。
自分は「校長先生のお話が長すぎて倒れる子」を実際に見たことがないのだが、そういう子の主観を体験できた。 自分は立ちくらみで気絶したのはこれが初めてである。 今思うと気絶しかけるタイミングはあったのだが、実際に気絶する前に座り込むなどしていた。 それでわかったのだが、校長先生のお話で倒れる子は決してか弱くない。 むしろ体調の悪化にも耐えて自分の意思で立ち続けられる、素晴らしい精神力の持ち主だ。
たぶん治ったと思い込んで立ちくらみへの対策を取らなかったことや、検査前数時間は食事をしてはいけないとはいえあまりにも食べなさすぎたことが原因だろう。 最近は何をしても元気だったので気絶は本当に意外であり、ショックだった。 PoTSが治ったというより、症状を出さない立ち居振る舞いが無意識のうちに身についていただけだったようだ。 しかも冬場は症状が出にくくなる人が多いらしいので、これから暖かくなるに従って立ちくらみなどがまた酷くなる可能性もある。 これからも体調には人一倍気をつけないといけない。
落ち着ける場所に来たら疲れがどっと出て来た。 気絶をすると疲れるらしい。